ノーベル平和賞にリベリア大統領ら女性3人

ノーベル平和賞リベリア大統領ら女性3人 非暴力闘争 (www.asahi.com 2011年10月7日21時41分)
 
 ノルウェーノーベル賞委員会は7日、2011年のノーベル平和賞を、リベリアのエレン・サーリーフ大統領(72)、同国の平和活動家リーマ・ボウイーさん(39)、イエメンの人権活動家タワックル・カルマンさん(32)の3人に授与すると発表した。取り組んできた平和構築や民主化の活動のほか、女性の地位向上などを評価した。
 
 女性のノーベル平和賞受賞は、04年のケニア環境保護活動家のワンガリ・マータイさん以来となる。カルマンさんは、中東の民主化運動「アラブの春」での取り組みにも加わっており、その活動を後押しする授賞といえる。
 同委員会は3人の活動について「女性の安全のため、平和構築へ女性が全面的に参加する権利のために非暴力で闘った」と指摘。3人ともに、女性の権利の確立に奔走してきたことをたたえた。
 
 リベリアではサーリーフ大統領の就任前、独裁政権のもとで14年にわたり内戦が続いた。社会は混乱し、貧困が広がった。サーリーフさんが05年にアフリカで女性として初めて民主的に大統領に選出されると、経済と社会の立て直しに力を入れた。なかでも、軽んじられてきた女性政策に力点を置いてきた。政府への女性登用や女子を念頭に置いた義務教育の無料化を図った。
 
 リーマ・ボウイーさんはサーリーフ大統領と共に、民間の立場から内戦の終結に取り組んだ。女性の参政権を訴え、宗派や民族を超えて女性を組織化。非暴力による民主化運動の先頭に立ち、デモも指導した。
 タワックル・カルマンさんはイエメン出身。長期独裁政権が続くイエメンで、ジャーナリストとして執筆活動の傍ら、NGOも創設。一貫して女性の権利や表現の自由を訴えてきた。今年1月には逮捕され、身柄を拘束されたこともある。
 
 賞金は1千万スウェーデンクローナ(約1億1千万円)。3人で等分する。授賞式は12月10日にオスロである。