憎悪犯罪

米同時テロ直後の憎悪犯、被害者は許したが…死刑執行 (www.asahi.com 2011年7月21日21時36分)
 
 米テキサス州は20日夜、同時多発テロ直後に、報復と称してインド系の男性(49)ら3人を無差別に死傷させたマーク・ストローマン死刑囚(41)の死刑を執行した。AP通信が伝えた。生き残った被害者が「暴力と憎しみの連鎖を断ち切らなければならない」と、助命を嘆願したが、かなわなかった。
 
 かつて白人至上主義者の団体に所属したことがあるストローマン死刑囚は、2001年9月15日から10月にかけて、テロへの報復と称して、中東出身者を狙って相次いで銃撃。中東とは関係のないインド、パキスタン出身の男性2人が死亡し、バングラデシュ出身のレイス・ブイヤンさん(37)が片目を失明する重傷を負った。
 
 テロ後に全米で起きた、人種や宗教を背景とした「憎悪犯罪」の最初の例として知られる。しかし、イスラム教徒のブイヤンさんは「人間は時に怒りから過ちを犯すもの」として、ストローマン死刑囚を許し、「憎悪のない世界」という名のホームページを立ち上げた。人権団体などとともに、執行を阻止するための運動を続けてきたが、州当局は聞き入れなかった。