乳児に安全を

 TOKYO FMの特別番組で、田原総一朗プルサーマルである3号機火災の危険性について繰り返し指摘していた。福島第一原発では昨年10月から、3号機がプルサーマル発電の営業運転を開始していたとのことだが、今回の報道でその危険性について警鐘を鳴らしていた報道をぼくは知らない。AERAの記事によると、揮発ガスとなって飛びやすいヨウ素に比べ、プルトニウムは重たいので何キロも飛ぶことはないとは言うが、毒性のきわめて強いこの物質が、周辺の土壌に落ちて致命的に汚染してしまうことは間違いないだろう。われわれはどこまで安全なのか?

都内の浄水場から放射性ヨウ素 乳児飲用に適さぬ濃度 (www.asahi.com 2011年3月23日18時39分)
 
 東京都は23日、金町浄水場葛飾区)の水道水から1リットルあたり210ベクレルの放射性ヨウ素を検出したと発表した。乳児の飲み水についての国の指標の2倍を超えるため、同浄水場から給水している東京23区と多摩地域の5市を対象に、乳児に水道水を与えるのを控えるよう呼びかけている。
 ほぼ全域が、金町浄水場と同じ利根川水系から取水している千葉県も同日、県全域に同様の呼びかけをすることを決めた。
 
 都の対象は23区の全域と武蔵野、三鷹、町田、多摩、稲城の5市。都は「指標は長期にわたり飲んだ場合の健康への影響を考慮して設定されており、代わりの飲み水が確保できない場合、長期間飲むのでなければ飲んでも差し支えない」と冷静な対応を求めている。
 厚生労働省によると、母親が飲んでも母乳や胎児への影響はなく、入浴など生活用水としての利用にも問題はないという。
 
 東日本大震災を受け、都は21日の降雨の影響を調べるため、22日午前9時に同浄水場からサンプルを採取。23日午前11時ごろに指標を超える値を検出したと報告を受けた。同日午前9時のサンプルでも190ベクレルを検出した。都は「21日の雨で大気中の放射性物質が溶け込んだため、濃度が上がったのではないか」とみている。サンプル検出から発表まで24時間以上かかったことについては「最大限早く対応した。発表が遅れたとは考えていない」としている。
 
 放射性ヨウ素が体内に入ると、甲状腺がんなどの原因になることがある。原子力安全委員会は飲料水について、1リットルあたり300ベクレルの指標を定めている。だが、子どもは甲状腺にたまりやすいため、厚労省は粉ミルクを溶かすなどして乳児に摂取させる際に、1リットルあたり100ベクレルを超える水を使わないよう呼びかけている。
 
 都は18日以降、水道の蛇口から出る水の分析を新宿区の施設で続けていたが、放射性ヨウ素は人体に影響のない微量が検出されただけだったという。
 農林水産省は製造や流通、市場の各団体に対し、「食品加工などの際に都の水道水を使うことは問題がない」として、冷静な対応を求める文書を23日中にも出す。