最小不幸社会

最小不幸社会に」「財政立て直す」―菅首相、初の会見 (www.asahi.com 2010年6月8日21時55分)
 
 民主党国民新党による菅連立内閣が8日、正式に発足した。菅直人首相は就任会見で、経済、財政、社会保障を立て直して「最小不幸社会」を目指す考えを明らかにした。7月の参院選の勝敗ラインについては、6年前に獲得した「50議席」とする考えを表明。これを達成したうえで、9月の民主党代表選で再選を果たせるかどうかが、政権の行方を決める。
 
 菅首相は「政治の役割は、貧困や戦争など国民や世界の人が不幸になる要素をいかに少なくしていくかだ」と意気込みを語った。
 さらに「財政の立て直しが経済成長の必須の要件」と強調。将来の消費税率の引き上げを念頭に「自民党など野党でも共通の危機感を持っている方もいる。党派を超えた議論をする必要がある」と述べ、各党で構成する協議機関などの場で、野党に話し合いを呼びかける方針を示した。
(中略)
 会見後、皇居での首相の任命式、閣僚の認証式を経て、初閣議を開いた。「政権への期待感が揺らいでいることを踏まえ、政権交代の原点に立ち返る」など、5項目の基本方針を閣議決定した。
 
■8日に閣議決定した菅内閣の基本方針(要旨)
・政権への期待が揺らいでいることを踏まえ、政権交代の原点に返り、国民の信頼を回復する
・経済・財政・社会保障の一体的立て直しに誠心誠意取り組む
・省益にとらわれることなく、国務大臣としての総合的な立場から、内外の政策課題に取り組む
・行政の無駄遣いの根絶を一層徹底し、情報公開を更に進める
・政務三役と官僚は、緊密な情報共有と意思疎通を図り、一体となって政策運営に取り組む
 
■首相会見のポイント
・政治の役割は「最小不幸社会」を作ることだ
・新成長戦略に基づき、財政配分を行う
参院選の勝敗ラインは、6年前の参院選で頂いた議席(公認候補で50)がベースになる
財政再建には、党派を超えた議論が必要
・政治とカネをめぐる問題で、鳩山由紀夫前首相と小沢一郎前幹事長が辞任したことは、一定のけじめだ
・米軍普天間飛行場の移設問題では、日米合意を踏まえるという原則は守る。沖縄県の基地負担軽減にしっかり取り組む
・25日からカナダで開かれるG8サミットで、オバマ米大統領と会談したい