伝説の塔の麓の闇

爆発3回連続 ミャンマーヤンゴン 百人超す死傷者 (www.asahi.com 2010年4月15日22時50分)
 
 ミャンマービルマ)の最大都市ヤンゴン中心部に近いカンドージ湖の近くで15日午後3時(日本時間同5時半)ごろ、少なくとも3度の爆発があった。ミャンマー国営放送は同日夜のニュースで、爆弾の爆発で8人が死亡し、94人が負傷したと伝えた。今後、死傷者が増える可能性がある。
 
 ミャンマーは12日から21日まで正月休み。ヤンゴン市内の各所では13日から16日まで新年を祝う水掛け祭りの行事が行われ、多くの人でにぎわっていた。爆発が起きたのは、カンドージ湖近くに企業が設けた祭り用のステージだと見られている。爆弾が投げ込まれたとの情報もある。
 朝日新聞の現地助手によると、負傷者は救急車などで市内のヤンゴン総合病院に運び込まれている。院内は次々と到着する負傷者や治療にあたる医師や看護師、負傷者の家族などでごった返し、混乱している。
 
 ヤンゴンでは2005年5月にも市場などで連続爆発があり、19人が死亡している。今回も3回連続して爆発があったことから、組織的な犯行との見方が強い。軍事政権は爆弾事件があるたびに、反政府系の少数民族グループの犯行だとしてきたが、これまでのところ、誰が関与したかなどについて言及していない。
 
 軍政は、民主化に向けたプロセスとして、20年ぶりに総選挙を年内に実施することを明らかにしている。先月には総選挙関連の法律を公表したが、民主化運動指導者のアウン・サン・スー・チーさんをはじめ、拘束されている活動家の多くが選挙への参加を事実上拒否されるなど、野党や少数民族政党にとってはきわめて不利な内容になっている。
 このため最大野党の国民民主連盟(NLD)は不参加を決定。また軍政の国境警備隊武装組織を編入させることに抵抗するワ族など少数民族の8政党も態度を明らかにしていない。
 
 カンドージ湖は、日本大使館や国内最大の仏塔で人気観光地の一つシュエダゴン・パゴダに近い。