an important milestone for nuclear security and nonproliferation

米ロ、新核軍縮条約に署名 オバマ氏「長い旅の一歩」 (www.asahi.com 2010年4月8日21時17分)
 
 オバマ米大統領とロシアのメドベージェフ大統領は8日、チェコの首都プラハで両国の戦略核を1550発ずつ以下に削減する新たな核軍縮条約に署名した。発効すれば、米ロは配備する核弾頭数を、現状から約3分の1減らす義務を負う。両国は新たな核軍縮を先導する姿勢を鮮明に打ち出した。
 
 署名式はオバマ大統領が昨年4月に「核なき世界」をめざす方針を示す演説を行った広場を望むプラハ城で行われた。オバマ大統領は署名後「新条約は重要な前進だが、より長い旅路のほんの一歩にすぎない。1年前にプラハで述べた通り、この条約はさらなる削減へのおぜん立てにすぎない」と述べ、戦術核や保管中の核兵器を含めた削減を進める考えを示した。メドベージェフ大統領は「数カ月前には不可能と思われたが最終的に署名できた」とした。
 
 新条約は前文と16の条文、154ページの議定書などからなる。双方が配備する戦略核弾頭を各1550発、大陸間弾道ミサイルなどの運搬手段については配備を700ずつ、未配備も含めた総計は800ずつに削減すると定めた。削減の相互検証や査察も義務づけた。
 戦略核弾頭の上限は1991年に署名した第1次戦略兵器削減条約(START1)では6千発とされていた。オバマ大統領は新条約をSTART1以来最も包括的な核軍縮条約としており、新たな目標としての核テロ防止や、国際的な核不拡散体制の再強化につなげたい考えだ。
 
 ただ、合意を優先したあまり、今回の条約は実質的な削減効果は少ないとされる。米国のミサイル防衛(MD)システムをめぐる対立は解消されず、ロシアはMDの脅威が高まった場合、一方的に条約から撤退する権利を持つとする特別声明を出した。