1300年の至宝

東大寺法華堂、5月から修理 塑像4体は新施設に (www.asahi.com 2010年2月22日20時28分)
 
 奈良・東大寺は22日、国宝12体、重要文化財4体を安置する法華堂(三月堂、8世紀、国宝)について、5月中旬から3年間の予定で須弥壇と仏像の修理に入ると発表した。今年は5月18日から7月末まで拝観を停止。今後、4体の塑像を新設の免震施設に移すため、16体のそろい踏みは今春限りで見納めとなる。
 
 法華堂は奈良時代に建てられた東大寺最古の建物。16体中、本尊の不空羂索観音立像(国宝)など14体が同時代の作で、いずれも漆塗りの乾漆造か粘土製の塑像。1300年近く火災や地震の被害を免れてきたが、仏像安置のために一段高く設けられた須弥壇(木造、南北約12.5メートル、東西7メートル)はシロアリや湿気で陥没の危険があり、仏像も虫害などが目立つため、修理することにした。
 
 8月1日から、日光・月光両菩薩立像(同)など7体は須弥壇の前に下ろした形で再び拝観できるが、両菩薩立像など塑像4体は2011年10月以降、境内に建設中の東大寺総合文化センターの免震室に移す。拝観停止中、重源上人坐像(国宝)をまつる俊乗堂を特別開扉する。