聖書ライフル

イラクやアフガンで「聖書ライフル」 米軍が使用(www.asahi.com 2010年1月24日9時23分)
 
 イラクアフガニスタンで米軍が使っているライフル銃の照準器に、聖書の特定の章節を指す符号が記されていることが、米ABCテレビの調査報道でわかった。軍内の信仰の自由を訴えてきた団体などから「イラクなどでの戦闘はキリスト教布教のために仕掛けた戦争だと思われてしまう」との批判が出ている。
 
 問題になっているのは、ミシガン州の銃部品製造会社トリジコン製の照準器。モデル番号に、聖書の記述を指す文字と数字が「JN8:12」などと続く。これは「ヨハネ福音書」の第8章12節を指し、その節には「イエスは再び言われた。『私は世の光である。私に従う者は暗闇の中を歩かず、命の光を持つ』」と書かれている。
 
 トリジコン社は、海兵隊と6億6千万ドル(約595億円)相当の契約を結び、20万個を超す照準器を納入。陸軍も、大量の照準器を同社から買い受けた。主にイラクやアフガンで現地兵向けの訓練に使われ、ABCによると、前線の米兵の間では「キリスト銃」「聖書ライフル」などと呼ばれてきたという。中東のテレビ局アルジャジーラは「タリバーンが猛反発する材料になる」などと報じた。
 
 朝日新聞の取材に、トリジコン社は「国防総省から指摘を受け、米軍への全納入品にこうした符号をつけることを中止した。符号を削る装置も無償提供する」と回答。同社の広報担当者は米メディアに「献身的なキリスト教徒だった創業者が始めたことだ」と語った。