ベルリンの壁

ベルリン壁崩壊のきっかけ質問はやらせ? 記者が証言 (www.asahi.com 2009年4月22日11時34分)
 
 89年の「ベルリンの壁」崩壊のきっかけとなった当時の記者会見をめぐり、壁崩壊につながる答えを引き出したイタリア人記者が、質問は東ドイツ(当時)指導部の依頼に基づく「やらせ」だったと独メディアに証言し、波紋を呼んでいる。
 
 証言したのは、イタリアのANSA通信の記者だったリッカルド・エールマン氏。
 約30年にわたって東西ベルリンを隔てた壁の崩壊を引き起こしたのは89年11月9日の東独の会見。シャボフスキー政治局員が旅行自由化策を発表し、エールマン氏が自由化発効の時期を尋ねた。この時シャボフスキー氏が「直ちに」などと答えたことから、一気に壁崩壊への流れができた。シャボフスキー氏の答えは、期日を間違えた「うっかり発言」で、偶発的なものだったというのがこれまでの説だった。
 エールマン氏は独公共放送などのインタビューに対し、会見1時間前に知人の東独・社会主義統一党の中央委員から「必ず旅券法改正の質問をするように」と電話で依頼されたと証言。同氏はこの中央委員の名前は挙げなかったが、一部メディアは「東独通信社の総裁」と報じている。この人物はすでに死亡している。一方、シャボフスキー氏は「質問は唐突だった」と東独政府による事前依頼を否定している。