懐柔策? 「テロ」をめぐる綱引き

パキスタン大統領、テロ対策に支援求める (www.asahi.com 2009年4月12日1時42分)
 
 パキスタンのザルダリ大統領は11日、東京で17日から開かれるパキスタン支援国会合出席のため訪日するのを前にイスラマバードで日本人記者団と会見。「テロはパキスタンや(隣国の)アフガニスタンだけの問題ではなく国際的な問題だ。国際社会はもっと関心を払ってほしい」と支援の拡大を訴えた。
 
 ザルダリ氏はイスラム過激派のテロについて「今やパキスタンに達し、さらに広がろうとしている。我々を支援することが自国を守ることにつながると、各国は気づくだろう」と語った。
 アフガンの反政府勢力タリバーンパキスタンを拠点にしていることについては「我々がそうした拠点を一掃できていないのは明らかだ」としたうえで、国際社会の支援が必要だと強調した。
 
 一方、パキスタン軍情報機関がタリバーンや他のテロ組織を支援しているとする米国やインド、アフガンなどの主張には「同意できない」と反論。パキスタン保有する核兵器イスラム過激派に渡るとの懸念についても「核兵器は(過激派が用いる自動小銃の)カラシニコフではなく複雑な兵器だ。過激派に使う能力はなく彼らの手に渡ることもありえない」と否定した。
 
 アフガンへの自衛隊派遣の可能性については「日本が決めることに口出しすることはできない」と述べた。一方、米軍がパキスタン国内で対テロ作戦を行うことについては受け入れない考えを示した。
 
 野党が要求している大統領権限の縮小についてザルダリ氏は「国会が判断することだ」と、これまでの主張を繰り返した。