序は多く最後に書かれる。奇妙なことだ

 ベンヤミンブロッホの組み合わせなんて20年前の学生時代を思い出す。ベンヤミン網野善彦『異形の王権』や阿部謹也ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界』と併せて読んだら面白いだろう。ブロッホの大著はいつ読み出すかわからない。けど、あるときに買っておかないと、絶版になってしまう。新宿の紀伊國屋本店で購入。
 
 佐々木中『夜戦と永遠』は新宿・小田急三省堂で見つけ、かなり躊躇したけど購入。80年代を彷彿とさせる晦渋ぶり。帯の「すべては情報だなどと、なんと古くさい考え方だ」っていうコピーが反動的で笑える。にしてもピエール・ルジャンドルって誰? 1930年生まれ、先のヨハネ・パウロ2世と机を並べ勉強会に出席していたこともあるというこの俊才は、27歳にしてパリ第一大学に博士論文を提出。法制史とローマ法の教授資格を獲得し、ラカンセミネールには最初期から参加…ってラカンかよ(サブタイトルに明記されてるのだが)。ラカンルジャンドルから“従来のフーコー論を一新”する試みとのこと。「序は多く最後に書かれる。奇妙なことだ」この一文で目眩がし、大枚6,600円を支払う(ブロッホの『この時代の遺産』は7,350円で敬遠したのに。。。)
 
 『グローバル・ジハード』松本光弘は、現役の警察庁公安課長とのこと。ぱらぱらページをめくると、「脱領域化」だとか「思想ウィルス」「勝手にアルカイダ」などのキーワードに何やらイヤな予感。まあ村上龍の出来の悪いインテリジェンス小説でも手にしたつもりで読めば楽しめるか。半藤一利は『昭和史』『昭和史 戦後編』以来(その間、新書は何冊か読んだけれど)。ペリー来航から大久保利通の死(つまりは「維新の三傑」の退場)までが描かれているようだ。
 
 『十八史略』は講談社学術文庫の10月の新刊。地元の書原で2冊だけ平積みで残ってあったのを購入。高校時代、漢文の授業で習った「鼓腹撃壌」などの故事を。
 
 ほかに「朝生」などテレビでおなじみのエコノミスト、水野和夫の最新刊(2週間で3刷?)とNewtonの別冊(ムック)。
 

ナチズム―地獄と神々の黄昏

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