392体の核燃料

福島第一1号機、建屋カバー撤去 4年後核燃料取り出し (www.asahi.com 2013年05月09日21時15分)
 
 東京電力は9日、福島第一原発1号機の原子炉建屋を覆うカバーを撤去すると発表した。建屋上部に散乱するがれきを撤去するためで、4年後に新しい建屋カバーを完成させて燃料プール内の核燃料を取り出す予定。カバー撤去後、新しいカバーができるまでは大気中に放出される放射性物質が増えるが、東電は「影響は少ない」としている。
 
 1号機の原子炉建屋は水素爆発で屋根などが吹き飛んだ。大気中に放射性物質が飛び散るのを抑えるため、2011年10月に建屋を覆うカバーを設けた。
 
 東電は、今冬にもこの建屋カバーの解体工事を始める。最上階のコンクリートなどのがれきを撤去。燃料取り出し用のクレーンなどを備え、新しい建屋カバーを造る。4年後をめどに燃料プール内の燃料の取り出しを始める予定。1号機のプールには392体の核燃料が保管されている。
 
 昨年度1年間で発電所敷地境界で約30マイクロシーベルト放射線量を観測。1号機のカバーを撤去すると、原発敷地境界の放射線量が年間0・4マイクロ増えるが、東電は影響は少ないとしている。
 
 爆発事故を起こしたほかの原子炉建屋は、運転停止中だった4号機で、がれきの撤去を終え、今年11月に燃料プールから燃料の本格取り出し開始をめざしている。炉心溶融事故を起こした3号機は周囲の放射線量が高く遠隔操作による作業のため遅れている。1〜3号機の原子炉内で溶けた燃料を取り出す見通しは立っていない。