殺すために来た男

米ボストン近郊で銃撃戦 テロ容疑者1人死亡1人逃走 (www.asahi.com 2013年04月19日21時15分)
 
 米マサチューセッツ州ボストン近郊のウォータータウンで19日未明、2人組の男と警察が銃撃戦になった。警察によると、2人組のうち1人は撃たれて死亡し、もう1人は逃走中。15日に起きたボストン・マラソンのテロ事件で連邦捜査局FBI)が容疑者として画像を公開した2人と特徴が一致しており、同一人物とみて捜査している。
 
 AP通信は、2人がロシアのチェチェン共和国近くの出身と伝えている。複数の米メディアによると2人は20代と19歳で、兄弟という。
 
 警察によると、逃走しているのは、FBIが公開した画像で「容疑者2」と呼んでいた男。武装していて危険だとして、ボストン市内全域を含む周辺住民に対し、自宅にかぎをかけて外に出ないよう求めている。撃たれて死亡したのは「容疑者1」とされる。
 
 また、銃撃戦が起きる前の18日午後10時半ごろ、ボストンに隣接するケンブリッジで、コンビニエンスストアを強盗が襲い、マサチューセッツ工科大学(MIT)構内で警察官が車両に乗ったまま射殺された。これらの事件も同じ2人による犯行とみられている。
 
 2人はMITでの事件の後、大型RV(レジャー用多目的車)をカージャックしてウォータータウンまで逃走。RVの持ち主は無事に解放されたが、警察が追跡している間に数回、RVから警察に向けて爆発物が投げられ、銃撃戦に発展した。この間にも警察官が1人撃たれ、重体という。
 
 警察は逃走している容疑者について「テロリストで人々を殺すためここに来たと考えている」と説明。周辺を封鎖し、住宅を一軒一軒調べている。ボストン周辺の公共交通機関はすべて停止され、ウォータータウンでは車両の走行もすべて止められている。ボストン・マラソンを舞台にしたテロ事件は、容疑者捜索のために全米有数の大都市の機能が停止されるという、異例の事態に発展した。
 
 マラソン会場のテロ事件では、釘やベアリング玉が入れられた圧力鍋が二つゴールライン付近で爆発。3人が死亡し、170人以上がけがをした。FBIは18日、かばんを持って爆発現場周辺を歩く2人の容疑者の画像と動画を公開し、身元を特定するため市民の協力を呼びかけていた。