恐怖との闘い

人質事件「今も恐怖で目が覚める」 日揮アルジェ従業員 (www.asahi.com 2013年01月28日14時21分)
 
 アルジェリア南東部イナメナスで起きた人質事件で、自社や関連会社などの従業員多数が犠牲になったプラント建設会社「日揮」のアルジェ事務所を27日、訪ねた。事件に巻き込まれた同僚たちが今も精神的に苦しんでいる様子を、アルジェリア人従業員らが語った。
 
 日揮のアルジェ事務所はアルジェの中心街から離れた一角にある。日揮の現地名「JGC」を示す看板も表札もない。日本の本社に置かれたような献花台も見あたらない。門の前には2人の警備員が立ち、「記者を中へ入れることはできない」と言った。夕刻、家路に就く従業員らが重い口を開いた。
 
 男性従業員の一人は「現地にいた同僚から、ベッドの下で2昼夜にわたって隠れていたと聞いた。彼は無事に助かったが、今も恐怖で夜中に目が覚めることがあるそうだ」と話した。
 
 別の男性は「ひどい事件だった。友人は片目の視力を失い、今はショックで当時のことを話せないでいる」と、大柄な体を震わせた。
 
 「発生時もアルジェの事務所には情報がなかった。テレビや新聞で見た以上のことはわからない」と話す人や、「事件については口外しないよう会社から言われている」と足早に去る人もいた。