神の御光

天井画見物多すぎ、入場制限を検討 システィーナ礼拝堂 (www.asahi.com 2012年11月3日11時15分)
 
 カトリックの総本山、バチカンシスティーナ礼拝堂ミケランジェロが描いた天井のフレスコ画が31日、完成から500年を迎えた。「ルネサンス芸術の最高傑作」とされ、年間500万人が鑑賞に訪れる。管理するバチカン美術館は「入場者の呼気や汗による湿気などで傷み、危機的だ」として、入場制限を検討していると明らかにした。
 
 天井画は、聖書の天地創造や楽園追放などの場面をミケランジェロが4年かけて描き上げた。1512年、当時のローマ法王ユリウス2世が完成を祝った。法王ベネディクト16世はこの日、当時と同じく夕方の祈りの時間に礼拝堂で500周年を祝い、「フレスコ画と礼拝堂を照らし出すのは神の御光だ」とたたえた。
 
 一方、美術館のパオルッチ館長は地元メディアに「すぐにでも新たな空調システムを導入しなければ、入場者に上限を設けざるを得ない」と訴えた。礼拝堂には、天井画や、同じくミケランジェロの手による壁画「最後の審判」を目当てに1日2万人が詰めかける。枢機卿が新しい法王を選ぶ選挙「コンクラーベ」の会場でもある。