タイヤとロケット

直木賞に池井戸氏、芥川賞は該当作なし (www.asahi.com 2011年7月14日20時54分)
 
 第145回芥川賞直木賞日本文学振興会主催)の選考会が14日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、直木賞池井戸潤さん(48)の「下町ロケット」(小学館)が選ばれた。芥川賞は昨年1月の第142回以来の該当作なしと決まった。副賞は100万円。授賞式は8月中旬に東京都内で開かれる。
 
 池井戸さんは1963年、岐阜県生まれ。東京都在住。慶応大学文学部と法学部を卒業し、88年に旧三菱銀行に入行。95年に独立してコンサルタント業をしながら小説を執筆。98年に「果つる底なき」で江戸川乱歩賞を受賞してデビューした。銀行勤務の経験を生かし、主に企業組織に生きるサラリーマンを描いてきた。06年の「空飛ぶタイヤ」が直木賞候補に。09年「鉄の骨」に続き、3度目の直木賞候補だった。
 
 「下町ロケット」は、かつて宇宙開発に携わった主人公が、実家の町工場の後を継ぎ、再び宇宙開発に挑む物語。大企業や銀行の抵抗に遭いながら、夢を信じて突き進む中小企業の経営者や技術者を描いた。