暗躍するベルナール=アンリ・レヴィ

仏のリビア軍事介入、哲学者が後押し 大統領と旧知の仲 (www.asahi.com 2011年3月30日7時3分)
 
 リビアへの軍事介入で先頭に立ったサルコジ仏大統領の決断を後押しした人物として、同国の哲学者、ベルナールアンリ・レビ氏(62)が注目を集めている。サルコジ氏はレビ氏の助言を受けて仏外務省の頭越しにリビア反体制派の承認を決断したという。
 
 レビ氏はこれまでも世界各地の人道危機で国際社会の介入の必要性を主張してきた人物。メディアに頻繁に登場し、影響力を持つ。政財界に広い人脈を持ち、サルコジ氏とも旧知の仲だ。今回、レビ氏はリビア反体制派でつくる国民評議会の幹部とサルコジ氏の会談をセットした。
 
 仏誌ルポワンによると、レビ氏は3月上旬、リビア東部のベンガジで国民評議会のアブドルジャリル議長と意気投合し、その場でサルコジ氏に電話して評議会幹部との会談を進言した。パリの大統領府での会談は10日に実現。サルコジ氏は評議会の承認を即決した。「強い指導者」をアピールする好機とみてレビ氏の助言に共鳴したようだ。
 
 しかし、仏紙ルモンドによると、外務省にとっては寝耳に水だったようだ。欧州連合(EU)各国からリビア上空の飛行禁止空域設定への同意を取り付けようとブリュッセルにいたジュペ外相は怒ってパリに飛んで帰り、サルコジ氏に辞意さえも示唆したという。だが、翌日にはカダフィ政権側がフランスとの断交を発表。事態は後戻りできなくなった。
 

サルトルの世紀

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