完全な虐殺

リビア首都近郊に政府軍猛攻 死者70人以上 (www.asahi.com 2011年3月5日21時4分)
 
 リビア政府軍は5日、前日に続いて首都トリポリの西約40キロのザウィヤの反体制派に猛攻を加え、中東の衛星テレビ局アルアラビアによると、少なくとも70人が死亡した。カダフィ政権側は反体制派から拠点を奪還するため空爆や戦車による攻撃を強めており、各地で多数の死者が出ている模様だ。
 
 ザウィヤの目撃情報によると、政府軍は戦車に加え15台以上の装甲車で反体制派の防衛ラインを突破。民家がある地域も無差別に砲撃しているという。別の目撃者の男性は「完全な虐殺だ」と語った。
 
 反体制派の支配下にあったザウィヤは4日にも政府軍の猛攻を受け、AP通信によると、反体制派の指揮官を含む40人以上が死亡。リビア国営テレビは、政権側が「町の大半を奪還した」と伝えた。
 
 これに対し反体制派は5日、ロイター通信に「我々は勝利した」と政府軍を排撃したと主張。だが、政権側がザウィヤに新たに戦力を投入したとの情報もあり、一進一退の攻防が続いている模様だ。
 
 政権側は首都トリポリを死守しつつ、4日には反体制派の拠点である同国東部ベンガジ郊外の武器庫を空爆。AFP通信によると、少なくとも27人が死亡した。反体制派が勢力下に置いた同国中部の港湾都市ラスラヌフでも5日に政府軍が攻撃。AFP通信は激しい戦闘の末に反体制派が掌握したと伝えたが、少なくとも8人が死亡、20人以上が負傷したという。