彼らは生き残れるか?

ウィキリークス創設者を逮捕 強姦容疑、本人側は否定 (www.asahi.com 2010年12月7日19時35分)
 
 英警察当局は7日、米外交公電の暴露を続ける内部告発サイト「ウィキリークス(WL)」創設者のジュリアン・アサンジュ氏(39)を逮捕した。英BBCなどが報じた。スウェーデンの裁判所から強姦などの容疑で逮捕状が出され、国際刑事警察機構(ICPO)が国際手配していた。
(中略)
 アサンジュ氏側は容疑を否定。スウェーデン検察当局が8月下旬、いったん逮捕状を取り下げた後に捜査を再開したことなどから、「暴露に対する何者かによる陰謀だ」と批判している。スウェーデンへの身柄引き渡しにも、徹底抗戦する構えだ。

ウィキリークスに強まる包囲網・・・でも米捜査は足踏み (www.asahi.com 2010年12月5日12時30分)
 
 米国の外交公電の暴露を続ける内部告発サイト「ウィキリークス」(WL)に対する包囲網が強まっている。欧米では創設者のジュリアン・アサンジュ氏(39)を罪に問う動きが高まり、サイトの関連サービスを停止する動きも相次ぐ。ただ、米司法当局の捜査は足踏みが続き、WL側も暴露攻勢を続ける構えだ。
 
 「外交機密を侵害するサイトをフランスが支えるわけにはいかない」。仏政府高官は3日、書簡でそう表明し、仏国内を拠点にしたWLのサイト運営を認めない方針を示した。米ネット小売り大手のアマゾン・ドット・コムが同社サーバーからWLのサイトを排除した後に、仏企業のサーバーが使われたためだ。
 アサンジュ氏に対する風当たりも強まる一方だ。「国際社会への攻撃だ」と暴露に反発する米政府は、スパイ罪での刑事訴追を検討しているとされる。生まれ故郷のオーストラリアの警察も、公電暴露が国内法を犯していないか調査を始めた。
 スウェーデン当局は、強姦などの容疑でアサンジュ氏に対する逮捕状を出し、国際刑事警察機構(ICPO)が国際手配をしている。英メディアはアサンジュ氏が現在、英国内に潜伏中で、英警察も所在を把握していると報じた。
 
 ただ、暴露で最も影響を受けた米国ですら、捜査にてこずっているのが現状だ。米機密情報の大量流出は、7月のアフガニスタン戦争に関する文書以来3度目。WLとアサンジュ氏らを視野に入れた捜査は7月以降続いているが、大きな進展がないまま、10月にイラク戦争関連文書を暴露され、今回の事態に至った。
 「司法長官は大統領の期待を裏切ったのではないか。スパイ罪で訴追に踏み切れない最大の理由は何か」。米テレビ番組で1日、こう問われたギブズ大統領報道官は「捜査中なので詳しいことは話さない」と苦しさをにじませた。
 
 こうした状況を見透かしてか、WLは徹底抗戦する構えだ。3日、激しいサイバー攻撃を受けて米のサイト管理会社からサービスを停止された後、メーンサイトのアドレスをスイスに移動し、すぐに再開。ロイター通信は、「情報は地球をかけ巡る。WLを阻止する試みは絶望的だ」という専門家の見方を紹介した。
 アサンジュ氏への逮捕状について、同氏の弁護士は3日、「何者かがスウェーデンやICPOに圧力をかけている」と牽制し、スウェーデンへの身柄引き渡しには応じない方針を明かした。
 
 アサンジュ氏も強気だ。「アサンジュは暗殺されるべきだ」としたカナダ元高官の発言について3日、英紙ガーディアンのサイトで「本気なら殺人扇動の罪に問われるべきだ」と批判。「我々に何か起きた場合、重要な部分は自動的に公表される」と牽制し、「我々は生き残れるか? それはあなた方次第だ」とサイト閲覧者に呼びかけた。