自由の無限連鎖

 
 僕らが高校時代、オーウェル(Animal Farm)は英語のサブリーダーとして恐らくは最も人気の高い作家の一人だった。つまりは、日本の中等教育で学ぶべき英単語と構文で書きあげられた、理想的なテキストということだったんだろうけれど、その鋭い寓意性と政治性を玩味するにはかなりハイレベルな内容であったことを改めて思い知らされる。
 スターリン批判を深く抉った翻訳として、同じ岩波からA・ケストラーの『真昼の暗黒』。この2冊を相次ぎ上梓するのがある意味すごい。
 
 ローレンス・ライトのドキュメンタリーは、ドン・デリーロの『墜ちてゆく男』と並行して読んでみたい。
 
 ダーウィン(1809-1882)は、今年生誕200年を迎える。内井惣七の書は、(帯文によれば)政治的・優生学ダーウィンではなく、あくまで生物学者としての、「生物学から神を追放し、人間を動物界に投げ戻す」進化論の本質に迫った論考のようだ。
 

倒壊する巨塔〈上〉―アルカイダと「9・11」への道

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