ラスプーチン結審

佐藤被告の有罪確定へ 外務省背任事件で上告棄却 (www.asahi.com 2009年7月2日3時11分)
 
 外務省関連の国際機関「支援委員会」に対する背任と国後島ディーゼル発電施設工事をめぐる偽計業務妨害の罪に問われた外務省元主任分析官・佐藤優被告(49)=起訴休職中=の上告審で、最高裁第三小法廷(那須弘平裁判長)は、被告側の上告を棄却する決定をした。6月30日付。懲役2年6カ月執行猶予4年が確定する。
 
 佐藤元分析官は在職当時、鈴木宗男衆院議員(61)の側近とされ、立件された背任行為などが鈴木議員の意向を受けたものとみた東京地検が、鈴木議員に対する一連の捜査の過程で逮捕・起訴した。鈴木議員は別のあっせん収賄罪などに問われ、一、二審で実刑判決を受けて上告中。
 佐藤元分析官に対する一、二審判決は、元分析官は(1)ロシア情勢に詳しいイスラエルの学者を日本に招き、滞在費など約3350万円を不正に支出した(2)支援委の入札情報を三井物産に漏らし、情報を得た同社が落札したことで、支援委の発注業務を妨害した――と認定した。
 
 佐藤元分析官は一貫して無罪を主張したが、一、二審判決は共犯として起訴された外務省元課長補佐=有罪確定=の証言などから有罪と判断。第三小法廷も「上告理由にあたらない」と主張を退けた。
 
 外務省は02年6月、元分析官を免職とすべきか否かの判断を先送りし、休職とした。有罪が確定すれば国家公務員法に基づいて失職するという。