ジョージ・オーウェル 『一九八四年』

ジョージ・オーウェルは『一九八四年』の中に、君もご存じのとおり、ビッグ・ブラザーという独裁者を登場させた。もちろんスターリニズムを寓話化したものだ。そしてビッグ・ブラザーという言葉は、以来ひとつの社会的アイコンとして機能するようになった。それはオーウェルの功績だ。しかしこの現実の一九八四年にあっては、ビッグ・ブラザーはあまりにも有名になり、あまりにも見え透いた存在になってしまった」
村上春樹1Q84』 BOOK 1 p.421-422)
 
 高校時代に読んだジョージ・オーウェル(Animal Farmは副読本)を読み返したくなり、本棚を探したが見つからなかったのでAmazonを調べたら、古書(文庫本)にとんでもない値がついていた。
 
 早川書房は6月25日に、新訳版(訳者の名前は不詳)をトマス・ピンチョンの解説付きで出版するようだ。こちらは903円。
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/item_search_list.php?author_name=%A5%B8%A5%E7%A1%BC%A5%B8%A1%A6%A5%AA%A1%BC%A5%A6%A5%A7%A5%EB
 
 それにしても、世界的画期となった名作でありながら、日本語訳が長らく絶版になっている作品など枚挙にいとまないというこの現実。