質量の起源探し

「質量の起源探し」開始 ビッグバン状態再現する加速器 (www.asahi.com 2010年3月31日14時44分)
 
 宇宙誕生の「ビッグバン」直後の高温・高密度状態を再現する世界最大・最強の粒子加速器LHCで30日午後、衝突エネルギー7兆電子ボルトの陽子衝突実験に初めて成功し、物理的な観測データの採取に入った。運営する欧州合同原子核研究機関(CERN)が同日、発表した。
 
 このエネルギーでの実験はLHCの初期の大目標で、質量の起源とされる「ヒッグス粒子」や正体不明の暗黒物質の候補粒子探しなどが始まった。発見されればノーベル賞級の成果となる。
 
 スイス・フランス国境にあるLHCは2009年11月の運転再開以来、陽子のエネルギーを上げながら性能の確認を続けてきた。この日の衝突エネルギーは米の加速器テバトロンが01年に作った世界記録の約3.5倍。今後、7兆電子ボルトでの実験を2年ほど続け、約1年かけて改良工事をしたあと、13年ごろ最終目標の14兆電子ボルトでの実験に入る。