ワードプロセッサー

 夕刻、スーパーに行くと、久しぶりに使い捨てマスクが何セットか売られているのに気づく。この1週間、電車に乗っていても、マスクをしている乗客の姿はほとんど見当たらなくなっていた。たぶんマスクをしたくても、どこにも売っていなかったからだろう。半面、ここ数日は新型インフルに関する報道もすっかりなりを潜めた感がある。30日現在、感染者は10都府県で認められているようだが、幸いなことに感染力はそれほど強くはなく、国内で死者も出ていない。とANAの客室乗務員のマスク着用義務もこのほど解除されたという。一方で、世間では北朝鮮の核開発問題やら国会の会期延長問題やら、新しいネタで大騒ぎしている(ただし、ごく局地的に)。結局は今回の新型インフル騒動も、どこが終息の地点だったのか誰にも分からないままに、終わりを迎えるのだろう。
 
 部屋の片付けや1週間分のアイロンがけ以外にすることもないので、午後はクーベリック指揮・バイエルン放送交響楽団ヤナーチェク作品集(シンフォニエッタほか)を聴きながらのんびり小説を読んで過ごす。『空気さなぎ』の書き直し作業。そういえば今から20数年前と言えば、東芝富士通、シャープ、NECといったメーカーが競って日本語ワードプロセッサーを売り出していた頃かもしれない。時を同じくして、おもちゃのようなマッキントッシュが日本でも販売を開始し、60万円以上するモデルのカタログを眺めては、ため息をついていたことを思い出す。